先週は、大会でプレーする際にマインドセットの面で助けになったことについて書きました。今回は、この大会に向けて立てていた2つの目標のうち、1つ目についてと、それがどうなったかを書きます。 これらは、1回戦の1時間前に書き留めたものです: 40手時点で10分残す。 迷ったら、より面白い方の手を選ぶ。 目標 目標は、エンドゲームでもまだ考える時間が残るように、40手の時点で10分残すことでした。最初の10手が一番時間を使わないはずなので、今回の大会の持ち時間60分(+1手ごとに30秒加算)から逆算すると、目標とする時間配分は、10手で約50分、20手で37分、30手で23分、ということになります。 グラフにするとこんな感じで、この赤い線より上にいたかったのですが: でも正直に言うと、この目標には完全に失敗しました。90分+30秒の持ち時間では年々着実に改善してきていたのですが、今回はうまくいかず、6局の時間配分はこんな感じでした: 失われた時間を求めて...
12 days ago • 1 min read
週末、地元のFIDE戦に出場し、トップシードとして6戦6勝で優勝することができました。楽な大会ではなく、客観的に見て負けている局面も3局ありました。 結果 | Lichessで対局を見る 5回戦前。撮影: Forty Studio 世界一周から帰ってきた旅人のように、OTB大会のあとはいつも書きたいことで頭がいっぱいになります。今回は、大会前に何が起きていたかについて書きます。 決断 大会前はこんなポストをしていました。 今週末、地元のFIDE戦に出場することにしました。4月以来の大会。ビデオコースの制作でずっと忙しくて、あまり練習できていなかったので、出場を見送ろうかとも思っていました。でも、「怖いから」という理由だけで出場をやめるくらいなら、出た方がいい。人生は短かすぎる。 「まあ、それでいいんだ」というマインドセット 今回の大会に向けて、自分のコンディションが万全ではないかもしれないと分かっていたとき、私はこう考えました。 「もしかしたら、勝敗を分けるようなミスをするかもしれない。それでいい。ただ、一手一手、自分のベストを尽くすことに集中しよう」...
20 days ago • 1 min read
「これまでいろんな女性とデートのようなことをしてきたが」とその男はそう言った。 「正直いって、君みたいな醜い相手は初めてだよ」 村上春樹の新作小説『夏帆─The Tale of KAHO─』(新潮社)は、この一文から始まります。 夏帆は絵本を描いている、ごく普通の若い女性です。ブラインドデートに出かけた彼女は、こんな残酷な言葉を浴びせられます。 でも彼女は、怒ったり傷ついたりしてその場を立ち去ったりはしません。一瞬その考えがよぎったとしても。彼女はむしろ興味を持ちます。なぜこの人はこんなことを言うのだろうと、その侮辱を頭の中で転がしてみるのです。本当に私はそんなに不細工なんだろうか? 彼は次に何を言うつもりなんだろう? 見知らぬ人から投げつけられた、これまでで一番心ない言葉を、彼女は理解する価値のあるパズルとして扱うのです。 踏んだり蹴ったり チェスで負けたとき、それはまるで侮辱のように感じられることがあります。...
about 1 month ago • 1 min read
対局を終えて会場を出て、座り心地の良い椅子を見つけて腰を下ろす。チェスアプリを開いて、エンジンをオンにして、指し手を入力していく。評価値のバーが上下に動くのを見ながら、序盤の不正確な手、中盤で犯したミス、そして終盤で見逃したタクティクスを見つけていく。その直後に痛恨のブランダーをして、負けてしまった。どこかで勝ちを逃していたのは分かっていた! 少し自己嫌悪を感じながらアプリを閉じて、次に進む。翌日には、その対局の内容はもうほとんど忘れている。 これが、多くの人が対局を振り返るときのやり方であり、まさにそれが、いくら振り返りを行っても上達につながらない理由です。 撮影: Ondrej Supitar 対局から学ぶための3つの要素 ほとんどの人は、対局から学ぶ方法を教わったことがありません。だからエンジンをオンにしたまま棋譜を早送りし、方向性のないまま情報だけを受け取ってしまいます。 この違いを理解するのに、私は何年もかかりました。ミスはまだ教訓ではなく、教訓はまだ練習ではない、ということです。 ミスとは、実際に起きたことです。...
about 1 month ago • 1 min read
皆さんこんにちは、IMじゅんたです。お久しぶりです。 実は昨年の11月に、新しい挑戦として英語でチェスのコンテンツを作り始めました(YouTube、メルマガ)。それ以来、日本語の方になかなか時間を割けずにいます。 今は英語の方に集中していますが、いつか、日本語と英語の両方で文章を書いたり、動画を作ったり、配信をしたりしながら、好きなタイミングで大会にも出場する。そんな生活を送るのが私の夢の1つです。 今日の記事は、多くのチェスプレイヤーが上達を目指すときにぶつかる、ある問題についてです。 「毎日タクティクスを解いて、オープニングコースを勉強して、動画も見るし本も読む。でもレーティングはもう何ヶ月も伸びていません。何が間違っているんでしょうか?」 これは、上達を目指すプレイヤーからよく受ける質問のひとつです。 多くのプレイヤーに共通する問題は、勉強の内容が実際の対局で起きていることとつながっていない、という点です。その結果、勉強しているという実感はあっても、本当に必要なスキルは身についていきません。...
about 2 months ago • 1 min read
チェスのアドバイスがうまくハマらない理由のひとつは、その内容が「自分の段階に合っていない」ことです。 チェスには5つの熟達段階があり、それぞれでやるべきことが違います。 この考え方は、為末大さんの書籍『熟達論』から来ています。 このメールでは、今あなたがどの段階にいるのか、そして次に何に取り組むべきかを整理していきます。 ただし、これは単なる強さの話ではありません。チェスとの向き合い方そのものでもあります。 マスターが第1段階に戻ることもあれば、初心者が第5段階の感覚を一瞬味わうこともあります。 では見ていきましょう。 第1段階:遊 すべてはここから始まります。ただ「指したいから指す」段階です。 駒の動きを覚え、チェックメイトを狙い、負けて、また指す。とてもシンプルな繰り返しです。 旧世界王者、ミハイル・タリはチェスを覚えることについてこう言っています。「チェスを覚えるのは、インフルエンザにかかるようなものだ。最初は何ともない。でも気づかないうちに体の中で何かが進んでいて、いつの間にか夢中になっている。」...
5 months ago • 1 min read
チェスが伸びない。パズルは解いてるし、定跡も覚えてる。それなのに、なぜかいつも同じ負け方をしてしまう。 その感覚、すごく分かります。私も長い間、同じところでつまずいていました。 私は公式戦を1,000局以上指して、インターナショナルマスターになりました。それでも、振り返ると「頑張る方向がズレていた」時期があって、何年も遠回りしてしまったと思っています。 このメールでは、チェス歴25年の中で本当に効いたことだけを「25の学び」としてまとめました。 無駄な失点を減らして、上達に直結することに集中して、もう一度チェスを楽しめる状態に戻していきましょう。 教訓1:引き分けで逃げない 私は公式戦で400局以上負けています。でも、その負け自体を後悔したことはありません。 後悔しているのはたった2局。「勝てるチャンスがあったのに、引き分けで手を打ってしまった」対局です。 1局は、元スーパーGMが相手でした。 引き分けでIMタイトルが決まったんですが、あの一局だけは、何年経っても心に残りました。 あの瞬間の私は、成長よりも安全を選んでしまったんだと思います。...
8 months ago • 1 min read
せっかくOTB大会に向けて毎日トレーニングしたのに、勝てない。格上には歯が立たず、同レートにも一方的に負け、勝つべき相手にも中盤で崩れる。 「どうして?」と焦るばかりで、朝のラウンドを控えているのに眠れなくなる──。 こんにちは、IMじゅんたです。 配信で「不調のとき、どうしてますか?」と聞かれました。 私もベトナムの国際大会でFIDEレートを60落としたり、IMとして4連敗したりしたことがあります。誰でも、うまくいかない時期はあります。 今日は、25年の私のチェス人生で効いたスランプ脱出の10の対処法をまとめました。 スランプを抜ける10の対処法 1.「波」を受け入れる 実力は点ではなく、揺れる線。上ブレも下ブレも平均の一部。 今日は「下ブレの日」と受け入れるだけで、少し楽になります。 2. 焦って「普段どおり」を押し通さない具体的に何が崩れているかを3行で言語化しましょう。 状況を整理するだけで冷静に考えられるようになります。 3. アウトプットからインプットへ一時シフト対局を減らし、読書・棋譜並べ・タクティクスにフォーカス。 必要ならチェスから距離を置くのもいいと思います。...
11 months ago • 1 min read
こんばんは!IMじゅんたです。 今回は読者の方からリクエストされたテーマです。 「OTBの大会に出場するときに準備として気を付けていることはありますか?」 OTB(Over the board = 対面)の大会というと、チェスの中でも特に本気度の高く、持ち時間の長い試合を指す場。 8歳の時から25年、毎年OTBの大会に参加している私が気を付けている5つのポイントを紹介します。 1. タクティクス脳を温めておく チェスの大体の勝負を決めるのは、結局タクティクス。 いくら新しい定跡の手順を頭に入れても 戦略についての本を読んで上手くなった気になっても、 駒をただで落としてしまうと負けてしまいます。 「自分の頭で考えて、強い手を見つけようとする」ということをしばらくやっていないと、そのエンジンがかかるまでどうしても時間がかかります。 大会の前に、軽くでもいいので(③も参照)、タクティクス問題やメイト問題を解いて「チェス脳」を活性化させておきましょう。 2. 早指しを減らす OTBで指すクラシカルと、ブリッツやブレットなどの早指しは別物です。...
12 months ago • 1 min read