なぜ「面白い手」を選ぶべきなのか


「迷ったら、より面白い方の手を選ぶ」

これは、最近の大会での2つ目の目標でした(1つ目の目標については先週書きました)。

この言葉、しっくりきますか?

こない、という方もいると思います。正直に言うと、かなり曖昧に聞こえる言葉です。でも私にとっては、何を意味しているのか非常にはっきりしています。なので、これを筋道立てて説明してみます。あなたのチェスにも役立つかもしれません。


「面白い手」とは何か

複数の選択肢があって、どれを指すべきか迷ったとき、私は次のような変化や局面につながる手を選ぼうとします。

  • ワクワクする、興味を惹かれる、あるいは少し怖いと感じる変化や局面
  • 一般的に、よりオープンで、柔軟で、ダイナミックな局面

これに対して、避けたいのは次のような手です。

  • 双方の可能性・選択肢を狭めてしまう手
  • 受け身すぎる手
  • これまで何度も指してきたような変化や局面に進む手
  • ワクワクしない手
  • 「指したらどんな感じだろう」という興味が湧かない手

つまり、指したいと思う手・局面と、避けたいと思う手・局面の組み合わせです。もちろん、これらの候補は質の面でも十分良い手である必要がありますが、その多くは、より多くを学べる手や方向性を選ぶことから生まれます。


なぜ「面白い手」を指すのか

結果とは切り離した目標を持つことの大切さについては、これまでも何度か話してきました。個人的には、この「面白い手を指す」という目標を持つことで、何十年も指してきたのと同じオープニングやポーン構造をただ繰り返して、居心地は良いけれど本当の意味で何も新しく学べない、というチェスよりも、自分の学びと成長につながるようなチェスを指しやすくなっています。

チェス人生の今のこの段階では、100%プレイヤーとしての活動に集中しているわけではありませんが、それでも長期的な上達には取り組み続けています。今は、自分の強みよりも弱みに焦点を当てています。それには、恐れや不確実さ、快適な領域にとどまりたいという気持ちから、過去に避けがちだった局面やポーン構造に向き合うことも含まれます。あなたは逆に、特定の変化を繰り返し深めていきたい段階にいるかもしれません。

私たちの多くは、自分自身についての「チェスプレイヤーとしての像」――スタイルやペルソナ――を持っています。

これは、自分が好きで得意な分野で自信を持つ助けになる一方で、あまりに頻繁に他の分野を避けさせてしまい、しかも「自分は得意じゃないから避けるべきだ(それに、改善するのも大変すぎる)」と思い込ませてしまいます。

こうした、往々にして的外れな恐れや回避を乗り越える方法を見つけると(というのも、チェスにおける多くの苦手意識や偏見は、単純にその分野に十分な時間や試行回数を費やしていないことに起因していると思うからです)、私たちはプレイヤーとして、ゲームのあらゆる部分で自然にレパートリーを広げていくことができます。そうすることで、レーティングや結果よりも、学ぶこと、新しいことを試すことに自然と意識が向くようになり、より自信を持てるようになります。

自分にとっての「面白い手」とは何かを定義することは、こうしたマインドセットを持つ助けになると私は思っています。


実戦からの「面白い手」

さて、こうした少し抽象的な話のあとに、今回の大会からの実例をお見せしましょう。

例1

​1回戦で黒番を持ち、序盤は1.Nf3 Nf6 2.g3 c5 3.Bg2 Nc6 4.O-O e5 5.d3 d5 6.e4と進みました。

実は私はこの局面を、対面でもオンラインでも黒番で指したことは一度もなく、白番でオンラインで一度指しただけでした。以前から、ここでは6…d4――KIDのペトロシアン変化を逆にした形――を試すつもりだと決めていましたが、心のどこかで少し怖さもありました。

「白番でこの手の局面には慣れているけど……7.a4、そしてNa3と指されたときの最善の手順は? 7.Nh4から素早くf4と来られたら、どう応じるべき? e4への圧力はもう解放してしまっている」

答えは分かりませんでしたが、それでも6…d4を素早く指しました。ここは迷って時間を使うべき局面ではないと分かっていたからです。まあいい、指しながら考えよう、6…d4自体は問題ないと分かっているのだから、と。

笑うかもしれませんが、以前の私なら、ここですべてを読み切ろうとして長い時間を使っていたと思います。だから、6…d4のような一見普通に見える序盤の手でさえ、私にとっては「面白い手」なのです。慣れない局面を積極的に選ぶことで、指しながら学べると分かっているから。

数手進んで、7.a4 Be7 8.Na3 Be6 9.Nc4 Nd7 10.Ne1のあと:


例2

f4が来る(その後おそらくNf3も)、さてどうする? 10…g5も考えましたが、11.f4のあとの局面が好きになれるか自信がありませんでした。そこで一番面白そうに思えたのが10…h5でした――11.f4なら11…h4と指して、もしかしたら中盤で自陣のキングサイドを心配しなければならないのは白の方かもしれません。

11.h4や11.f4のあと具体的にどう進むかは分かりませんでしたが、ここで9分も使ってしまいました(使いすぎ!)。それでも、これは指さなければいけない手だと気づきました――ワクワクして、興味があって、そして少し怖い手だったからです。

読みきれない局面を無理に読み切ろうとして、何度も確認して迷っていた以前のやり方の代わりに、その手に対して自分がどう感じるかに注目することで、より直感を信じて指せるようになりました。これは、直感的だけれど慎重なタイプのプレイヤーである私にとって、良いことだと思っています。


例3

​3回戦、黒番で、信じられないかもしれませんが、1.e4 c5 2.Nf3のあと、すでに面白い手を指しました。それが2…Nc6です。(?!)

2…e6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 a6のシシリアン・カン変化は、2004年からずっと私のメインのオープニングでした。今年4月の大会でも、結局3試合でこれを指しましたが、苦しい対局になりました。

ここ数年、新しいことを指して自分のチェスを広げるために、いい加減これを手放す必要があると思っていました。だから2…Nc6には意味がありました。古いやり方に固執するのではなく、新しいことを実践しているからです。

3.d4 cxd4 4.Nxd4のあと、ゴディバ変化の4…Qb6を指し、5.Nb3 Nf6 6.Bd3 e6 7.O-O Be7 8.Qe2のあと:


例4

​20年以上、カンとハリネズミ構造を指してきた身として、ここでの本能的な反応は8…d6です。でもそれでは、結局カンを指しているのと同じになってしまいます。なので、新天地へ行こうと8…d5を指しました。

もし白が9.e5と指せば、9…Nd7 10.Be3 Qc7 11.f4というような、非常にフレンチ的な構造に進む可能性があります。おそらく客観的には白にとって満足のいく局面でしょうが、これは私があまり指したことのないタイプの局面で、とても面白そうに見えました。指してみたい。

実戦での白の選択、9.exd5もまた強い手でした。9…Nxd5なら、c4、Nc3、Be3/Bf4といった手で白が快適に駒を展開しやすくなりすぎると感じたので、ポーンで取り返しました。

白には、実際に相手が指してきたように、少し厄介な応手があります――10.Be3。そして私はなぜか10…d4の見た目が好きになれませんでした。d4のポーン自体は悪くないかもしれませんが、Bg5、N1d2、ルークをeファイルへ、といった形で白が中盤を指しやすそうに見えたからです。

そこで10…Qc7を指しましたが、これは11.Bc5を許してしまい、実戦は11…O-O 12.Bxe7 Nxe7と進みました。

黒はIQP(孤立したdファイルのポーン)を抱え、白はすでに黒の良いビショップを交換することに成功していて、d4はc2-c3でほぼ永久に確保できます。

それでも私は、(…Ng6、…Re8などのあと)黒には十分なアクティビティがあってそれを補えると感じていましたし、もし十分な活動を作り出せなければ、静的にはずっと悪いまま対局が続いてしまうという点で、少し怖くもありました。でも、自分の判断力を試したかったのです。


というわけで私にとって、「面白い手」を探す、あるいは優先することは、興味があって学べる・そしてただワクワクする、もしくはより怖い方の手を選ぶ助けになっています。あなたにとっての「面白い手」の条件は、また違うものかもしれません。

あなたもこういう考え方を使っているか、あるいはあなたのチェスにおける「面白い手」とは何か、ぜひ考えてみてください。

愛が深ければ、ほんの小さな疑いさえも恐れに変わる。
そして、小さな恐れが芽吹くところにこそ、大きな愛は育つ。
―― ウィリアム・シェイクスピア『ハムレット』第3幕 第2場

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