チェスの大会前にしたい5つのこと


こんばんは!IMじゅんたです。

今回は読者の方からリクエストされたテーマです。

「OTBの大会に出場するときに準備として気を付けていることはありますか?」

OTB(Over the board = 対面)の大会というと、チェスの中でも特に本気度の高く持ち時間の長い試合を指す場。

8歳の時から25年、毎年OTBの大会に参加している私が気を付けている5つのポイントを紹介します。


1. タクティクス脳を温めておく

チェスの大体の勝負を決めるのは、結局タクティクス。

  • いくら新しい定跡の手順を頭に入れても
  • 戦略についての本を読んで上手くなった気になっても、

駒をただで落としてしまうと負けてしまいます。

「自分の頭で考えて、強い手を見つけようとする」ということをしばらくやっていないと、そのエンジンがかかるまでどうしても時間がかかります。

大会の前に、軽くでもいいので(③も参照)、タクティクス問題やメイト問題を解いて「チェス脳」を活性化させておきましょう。


2. 早指しを減らす

OTBで指すクラシカルと、ブリッツやブレットなどの早指しは別物です

ブリッツやブレットを例えば大会前日までたくさん指していると、それはすぐに見返りを求めようとする雑なチェスに脳が慣れてしまい、クラシカルで必要な、

  • 考えるべきところで考えるスキル や
  • 批判的思考

のエンジンがかかりにくくなってしまいます。

早指しからクラシカルに急に切り替えるより、大会前はもう少しじっくり考えられるラピッドの試合を指したり、知らない局面についてじっくり考えたりしましょう。

普段のトレーニングはどうしてもオンラインが多くなってしまいますが、大会前は実際の盤に向かって問題を解いたり棋譜並べをするのも感覚を戻すのにおすすめです。


3. チェスをできることにワクワクする

私は大会当日や前日は、実はチェスに一切触れないことが多いです。

例えば直前や前夜まで定跡を頭に詰め込んだり、オンラインで練習しようとしても、それは大会前に疲れ始めてしまいます。

①で挙げたタクティクスなども、大会が近づくにつれて負荷を軽くするのが私は好きです。例えば前日まで難しい問題ばかり解こうとしていても、それは自信を失ったり、また疲れにつながったりします。

大会前はむしろ、大体の問題を解ける、というレベルの方がウォーミングアップには適していると思います。

「大会前に詰め込まないと」とストレスを感じなくていいように、日頃のトレーニングで頑張る

そして、「やるべきことはやった」という心持ちで、大会当日は体も万全、「チェスをとにかく楽しもう」という気持ちを持てているのがベストだと思います。


4. 信頼できる序盤のレパートリーを持つ

誰が相手でも、「これが自分の十八番だ」と思えるオープニングを持っていると迷う必要がなく、心強い。

これはプロのように手順や変化を知り尽くしておこうという意味ではなく、

  • 普段から指していて
  • 明確な手順を知らなくても、序盤から中盤にかけてどういう風に駒を展開するのが典型的か知っている

形を持ちたいという意味です。

「自分に合っている」と、愛着を感じているとさらにプラスです。

20代半ばまで、私は「大会中に序盤の知識をつける」タイプでした。次の日の相手を調べ、その相手が指すオープニングに対してどう指したいかを(試験前の一夜漬けのように)頭に入れようとする。

しかし、振り返ってみるとこれは非常に効率が悪かった。

  • 大会中にこれにエネルギーを注いで疲れてしまうし、
  • 大会後はせっかく勉強したものの一部をすっかり忘れてしまいます。

やるべきは、普段から試合をこなす中でファイルに少しずつ、新しい学びや気付き、感じたことを自分の言葉で付け足す。そうすれば、大会中はそれを復習するだけなので、次の試合までに十分に休みを取ったり、切り替えることに集中できます。


5. 内容面での目標を持っておく

大会となると誰でもプレッシャーを感じ、とにかくいいパフォーマンスを残したいものです。

  • 優勝
  • 戦績半分以上
  • レート20アップ...

目標を持つのは悪いことではなく、人によっては明確な目標を持つことでモチベを高く持てるかもしれません。

しかし、チェスをやっているとうまくいく時もあれば、うまくいかない時も同じくらいあります。大会前に大きな目標を持っていても、序盤で連敗してしまって目標に到達できないとなると、メンタルがやられて、さらに崩れてしまったりします。

そこで大事となるのが内容面で目標を持つことです。

例えば

など、盤上・盤外のテーマは無限にあります。

チェスを長くやっていく中で、1試合1試合から少しでも何か学ぶこと、学ぼうとする姿勢は侮れません。結果に固執しないためにも、大会でのテーマや新しい挑戦の対象を常に持っておきましょう。


おまけ

十分な睡眠を普段から摂るなどの体調管理も大事です。

若い時は例えば、大会中に夜更かしばかりしていても、大会と大会の間にまともにトレーニングをしていなくても、良いパフォーマンスを残したり成長し続けたりできます。そして、「これは適当にやっていても全然大丈夫だな」と思ったりします(私もそんな時期がありました)。

でも、チェスを25年やってきて、何百人というプレイヤーを間近で見てきて、そういった慢心を持ったプレイヤーは必ず後で後悔します

「なんでもっと前から色々改善しようとしなかったんだろう?」

私も30代になって強く感じるのは、長くやっていく中では普段から生活習慣を整えているとそれだけアドバンテージになる、ということです。

ランダム性を排除し、「たまたま」に左右されずにチェスで全力を出すことに安定して集中できます。

そしてもちろん、OTBチェスを上手くなるには、なるべく多くのOTB大会に参加することは必要です。


あなたは大会前、気を付けていることはありますか?

じゅんた


チェスを深める一歩を踏み出す準備ができている方に

1. 『チェスの振り返り:完全ガイド』

④でも触れたように、普段から自分の試合から学ぶ習慣を持っていれば、大会でもいろんなメリットがあります。試合の1つ1つから学びたい方は、85人のチェスプレイヤー・愛好家が受講されているこちらのコースをどうぞ。

2. じゅんたチェス道場

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