【国際チェスデーに感謝を込めて】私のチェス人生


こんにちは!

明日、7月20日は「国際チェスデー」。

1924年にパリで国際チェス連盟(FIDE)が設立されたことを記念して制定されたこの日は、世界中のプレイヤーや愛好家が1つとなる特別な日です。

国際チェスデーにちなんで今日は特別なお知らせがあるのですが、まずはいつも読んでいただいている皆さんに、私のチェス人生について話します。


チェス人生

私がチェスを始めたのは27年前、1998年のことでした。

今は10歳のIMがいるような時代ですが、私はチェスを始めたのが6~7歳で、10歳になった時もオーストラリアの国内レートは600台だったので、だいぶスロースターターでした(なんでもそうかもしれません)。

しかし、チェスがとにかく楽しくて、時間があればチェスの本を読み、毎週、チェスクラブで試合をしていました。

家で家族と指すことから始め、

  • 学校のチェスクラブ
  • 地域のジュニアクラブ
  • 学校対抗戦
  • ジュニア大会
  • 大人も参加するクラブや大会

へとチェスを始めての数年でステップアップしていきました。

コーチから個別レッスンを受け始め、他州の大会へも足を運ぶようになり、年始の夏休みには毎年、違う州で開催されるオーストラリアの全国ジュニア選手権に参加するようになりました。

日本と比べるとオーストラリアは受験制度も塾もなく、子ども時代というか10代はわりとのびのび、チェスに打ち込み、スポーツでは8歳からずっとサッカーをやってました。ゲームと読書も好き。

初めての海外遠征は2003年、ギリシャで開催された世界ユースU/12選手権でした。そこで世界中から集まった、自分と同じ夢を持つ子どもたちと空間を共にし、自分より遥かに強い子たちがいると大海を知りました。

チェスの世界はなんて広いんだろう

1番多くの公式戦を指した2004年(138試合!)からはインターネットチェスクラブでのオンラインチェスにもハマりました。毎晩のようにブリッツとブレットの大会やレート戦をこなし、オーストラリアや海外のチェス仲間と切磋琢磨し、マスターらにも何百試合と挑みました。

2005年はフランスで、今度は世界ユースU/14。この年、シドニーの大会で初めてGMに公式戦で勝ち、OTBレートは2000を超えました。2006年は1月にニュージーランドの大会、9月は日本のジャパンオープンに参加しました(同率優勝)。

2007年はシンガポールで世界ユースU/16オリンピアードに参加。オーストラリアのAチームとしてチームが5位、私は2番ボードで個人銀を獲得しました。

2008年1月には全豪ジュニア (U/18) 選手権を優勝し、2009年にカレッジ(日本で言う高校)を卒業。大学生となった2010年にFIDEレートが2300を超え、FIDEマスターとなりました。

2011年はチェス仲間とアメリカ合衆国、オランダ、マレーシアの大会を回り、GMやIMとの対戦経験を積みました。チェンナイ(インド)での世界ジュニア (U/20) 選手権ではいろんな国からのプレイヤーと仲良くなり、我々オーストラリア勢の部屋に集まってマフィア(人狼ゲーム)を遊んだのは良い思い出です。

2012年1月にニュージーランドで1つ目のIMノームを獲得し、年末にはまたインドで2つの大会に参加しました。その頃は村上春樹の小説にハマっていて、全作品を読んだのを覚えています。大学に通いながらも、チェスが生活の中心でした。

2013年1月の全豪オープンで2つ目のIMノームを獲得するも、FIDEレートは2300から2400の間を行ったり来たりとなかなか安定しませんでした。2013年4月から2014年2月までは京都に留学し、全日本選手権を優勝

オーストラリアに戻ってから参加したキャンベラとシドニーの大会でIMノームを獲得し、レートが2400を超え、IMとなりました。小学校の時の卒業文集で「GMかIMになりたい」と綴り、それから10年以上かかりましたが、夢の1つを達成しました。

その年の8月にはノルウェーでの世界チェスオリンピアードに参加し、今までのチェス人生の中でも、トッププレイヤーも皆集う、この大会は1番のハイライトかもしれません。あれからもう11年も経っているのは少し信じられません。時間はどこに消えたのでしょう?(大部分は64マスの中に)

そこからはプレイヤーとしてはGMを目指し、2017年のヨーロッパ遠征で1つ目のGMノームを獲得

2018年もヨーロッパやアジアの大会を回る2ヶ月以上の遠征。ここまでは中高生の時からチェスコーチとして個人やグループを教えたり、比較的短期の仕事に就いていましたが、仕事ももう少し安定したものを求め、その年の11月に公務員に(日本の国家公務員とは違うので試験はない)。以来、オーストラリア政府の仕事でフルタイムで働いています。

定職に就き、遠征はしにくくなりましたがチェスはもちろん続け、2020年に全豪選手権準優勝。コロナ禍で2020年3月から11月は公式戦なしと、これはチェスを始めてからの最長ブランクかもしれません。いかに、私の人生でチェスが中心的なものかを表していますね。

FIDEレートも少しずつ伸び、2022年4月には最高レートの2460を更新。


プレイヤー以外の道

しかしGMレベルの2500に近づいたここからは伸び悩み、3年後の今は、IMになった2014年5月以来の最低レート、2351まで落ちてしまっています。

これにはいくつかの要因がありますが、最終的には実力が足りず、レベルを維持できなかったのが1番なのは間違いありません。

それまでのプレイヤーやコーチ業以外にもチェスのコンテンツを作ることに興味を持ち、2023年は英語のチェスブログ・メルマガにエネルギーを注いでました。2023年11月からは日本語のチャンネルで動画投稿もスタート(丁度昨日、総再生数が10万を超えました)。

主にプレイヤーとして25年間やってきたチェスの新しい楽しみ方を見つけ、今年もチェスプレイヤーとしてより、チャンネルやこのメルマガ、ビデオコースを作る方に時間とエネルギーを注いでいます。

もちろん、そうしていればマスター帯ではレベルを維持するのが難しくなります。現実的に考えて、年単位で毎日何時間もチェスに打ち込まないとGMにまた近づくことは難しいでしょう。

10代の頃から、GMの夢はもちろん、日本でチェスを広めたいという気持ちを漠然と持っていました。それは、私の人生の中心であり、数え切れないほどのものを与えてくれたチェスを、第二の故郷とも言える日本や日本語とつなげたいという思いもあったのかもしれません。

より多くの日本人や日本語話者に、チェスの楽しさや奥深さを知ってほしい。チェスは、一生涯付き合えるものだから。

両親は日本人ですが、私はオーストラリアで生まれ育ち、これからもおそらく住み続けるでしょう。しかし、幼少期から家では日本語オンリーで、第一言語も日本語。学校は月~金曜日に普通の現地校、土曜日の朝は日本人補習授業校に中学まで通っていましたが、15歳辺りまでは日本語の方が強かったんじゃないかと思います。

私は今33歳ですが、ここまでの人生の後半では日本語を使うことがめっきり減り、日本人の友人もこちらにはいないので、家族と会ったりメッセージする時以外はほぼ使いません。

2021年にツイッターで日本語でチェスの発信を始め、チャンネルやメルマガを通して日本語をこういう風に使って、チェスプレイヤー・チェス愛好家とつながれるのは幸せを感じます。

チェスも世界中の人をつなげる言語でもあるので、英語、日本語、そしてチェスを通して、今までいろんな人とここまでつながれてきたことにも感謝せざるを得ません。


これからのチェス人生

今はYouTubeで動画を作ったり、配信したり、メルマガを書いたりと、日本語でチェスについて発信するのはとても楽しく、充実感を感じます。しかし、2023年には英語でメルマガを書いていましたし、葛藤はあります。

「英語と日本語、どちらでチェス発信をすべき?」

働きながらでは、両方やる時間はありません。普段、ほぼ英語の生活をしているので、チェス発信を日本語でやることで、自分の中の英語脳と日本語脳、両方が満足できるよう、日本語での道を選んだところもあるでしょう。英語でも色々やりたいと時折ウズウズしますが、右腕を鎮めています。

一昨年からはコンテンツ作りに力を入れていて、動画制作・配信・メルマガ・ビデオコース制作などを通して、これからもやりたいことがたくさんあります。

GMの夢も諦めてはいません。それは、プレイヤーとしてのチェスのことを考えていると、こみ上げてくるものがあるからです。このメールを書いている間も、チェス人生を振り返っていて、グッとくるものがありました。

6歳の時から今まで、チェスの奥深さに魅了され、人生のステージは常に変われど、64マスの世界とは欠かさず付き合ってきました。日本ではまだチェスはマイナーですが、やはり子どもの時の自分のように、チェスを楽しんでくれる人が1人でも増えれば嬉しいなと思っています。

動画やメルマガの他にも、27年でチェスについて学んだことを、今年からはビデオコースでも形にまとめたいと思っています。10代、20代に知りたかったこと、チェスで次のレベルに行くのに力となるスキル、ノウハウや知識。


振り返りコース

今月初めにローンチした、『チェスの振り返り:完全ガイド』もその1つです。私は長年、振り返りが苦手で、そのせいでだいぶ遠回りしてしまいました。このコースには、

  • 1つ1つの試合からどう学ぶか
  • 弱点や課題をどう見つけるか
  • 学びや気付きをどう次につなげるか

を、明確なステップで体得できます。

「なんで負けているのか分からない」

「いつも同じパターンで負けてしまう」

「頑張っているのになかなか成長しない」

という方の力になれるはずです。すでに、81名のチェスプレイヤー・愛好家の方に受講いただいています。

このビデオコースではアマチュアの方から、マスター志望の競技プレイヤーまで使える、本質的なコツやステップを伝授します。


国際チェスデー記念特別価格

皆様への感謝の気持ちを込めて、

7月19日(土)15時~7月20日(日)23時59分限定

特別価格をご提供いたします。

通常価格:6,980円

       ↓

特別価格:5,480円(1,500円オフ)

この機会に、ぜひチェスの世界をより深く楽しんでいただければと思います。

Count down to 2025-07-20T14:59:00.000Z

今回はとても長いメールだったので、ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。

それでは、素敵な国際チェスデーをお過ごしください!

じゅんた


今までのメールも読みたい方はこちらから。

このメールをシェアしたい方はこちらのリンクからどうぞ。


113 Cherry St #92768, Seattle, WA 98104-2205
購読停止・​アドレス変更

じゅんたチェス通信

上達を目指しているプレイヤーや愛好家、250人にトレーニング法、実戦のノウハウや25年以上の経験から学んだことなど、チェスについてのメールをお届けしています。

Read more from じゅんたチェス通信

チェスのアドバイスがうまくハマらない理由のひとつは、その内容が「自分の段階に合っていない」ことです。 チェスには5つの熟達段階があり、それぞれでやるべきことが違います。 この考え方は、為末大さんの書籍『熟達論』から来ています。 このメールでは、今あなたがどの段階にいるのか、そして次に何に取り組むべきかを整理していきます。 ただし、これは単なる強さの話ではありません。チェスとの向き合い方そのものでもあります。 マスターが第1段階に戻ることもあれば、初心者が第5段階の感覚を一瞬味わうこともあります。 では見ていきましょう。 第1段階:遊 すべてはここから始まります。ただ「指したいから指す」段階です。 駒の動きを覚え、チェックメイトを狙い、負けて、また指す。とてもシンプルな繰り返しです。 旧世界王者、ミハイル・タリはチェスを覚えることについてこう言っています。「チェスを覚えるのは、インフルエンザにかかるようなものだ。最初は何ともない。でも気づかないうちに体の中で何かが進んでいて、いつの間にか夢中になっている。」...

チェスが伸びない。パズルは解いてるし、定跡も覚えてる。それなのに、なぜかいつも同じ負け方をしてしまう。 その感覚、すごく分かります。私も長い間、同じところでつまずいていました。 私は公式戦を1,000局以上指して、インターナショナルマスターになりました。それでも、振り返ると「頑張る方向がズレていた」時期があって、何年も遠回りしてしまったと思っています。 このメールでは、チェス歴25年の中で本当に効いたことだけを「25の学び」としてまとめました。 無駄な失点を減らして、上達に直結することに集中して、もう一度チェスを楽しめる状態に戻していきましょう。 教訓1:引き分けで逃げない 私は公式戦で400局以上負けています。でも、その負け自体を後悔したことはありません。 後悔しているのはたった2局。「勝てるチャンスがあったのに、引き分けで手を打ってしまった」対局です。 1局は、元スーパーGMが相手でした。 引き分けでIMタイトルが決まったんですが、あの一局だけは、何年経っても心に残りました。 あの瞬間の私は、成長よりも安全を選んでしまったんだと思います。...

Three young plants growing in small pots

せっかくOTB大会に向けて毎日トレーニングしたのに、勝てない。格上には歯が立たず、同レートにも一方的に負け、勝つべき相手にも中盤で崩れる。 「どうして?」と焦るばかりで、朝のラウンドを控えているのに眠れなくなる──。 こんにちは、IMじゅんたです。 配信で「不調のとき、どうしてますか?」と聞かれました。 私もベトナムの国際大会でFIDEレートを60落としたり、IMとして4連敗したりしたことがあります。誰でも、うまくいかない時期はあります。 今日は、25年の私のチェス人生で効いたスランプ脱出の10の対処法をまとめました。 スランプを抜ける10の対処法 1.「波」を受け入れる 実力は点ではなく、揺れる線。上ブレも下ブレも平均の一部。 今日は「下ブレの日」と受け入れるだけで、少し楽になります。 2. 焦って「普段どおり」を押し通さない具体的に何が崩れているかを3行で言語化しましょう。 状況を整理するだけで冷静に考えられるようになります。 3. アウトプットからインプットへ一時シフト対局を減らし、読書・棋譜並べ・タクティクスにフォーカス。 必要ならチェスから距離を置くのもいいと思います。...