アマチュアチェスプレイヤーが犯す最大のミス


去年、チェス界の元祖ポッドキャスター、ベン・ジョンソンさんのパペチュアル・チェス・ポッドキャストにゲストとして出演し、こんな質問をされました。

「アマチュアのプレイヤーがよく犯すミスは何ですか?」

私はそのとき3つ挙げました。今回はその1つ目を掘り下げます。これは、他の努力を台無しにしかねないミスだからです。


ミス1: 大会の対局数が足りない

まず、対面(OTB、オーバー・ザ・ボードとも言います)での対局で上達したいなら、対面を実際に指すことに勝るものはありません。

時計の数字が1秒1秒減る中、対局の行方が次の一手にかかっていると分かっている、あの感覚は、どれだけ勉強しても再現できません。それこそが、すべてのトレーニングの目的地であり、自分の盲点が実際に星取り表に響いてくる場所です。

本もパズルも動画も役に立ちます。でも、それらを実際の対局と結びつけなければ、理解は抽象的なままです。それは、教科書だけでボールの蹴り方を学ぶようなものです。

対面の対局があなたを一段階引き上げてくれる理由は2つあります。

1. 真剣勝負だから

誰かと何時間も向き合って座ることは、独特のプレッシャーを生みます。本当の癖が表に出てきますし、あなたも相手も本気で勝ちたいと思っているからこそ、指し手の質も高くなります。当て推量や希望的観測は、容赦なく罰せられます。

これは、オンライン専門のプレイヤーの多くが過小評価している部分です。オンラインは「練習場」のように感じられますが、OTBは「本番の舞台」のように感じられます。

オンラインでしか対局しない場合でも、試合の本気度を上げる方法はあります。

  • 友人と練習マッチを指す
  • オンライン大会に定期的に出場する
  • 特定のプラットフォームを「真剣勝負用」と決めて、1日あるいは1セッションあたりの対局数を決め、負けた対局はすべて分析して、学びを見つける

私自身の上達も、多くの真剣な対局を指すことの上に築かれました。

最初から「才能がある」わけではありませんでした。チェスを覚えてから3年経っても、私の国内レーティングはわずか600でした。それでもチェスが好きで、毎週指し続け、勉強し続けました。すると5年目あたりから、その積み重ねが効果を発揮し始め、私はオーストラリアで、自分の年代のトップ選手の一人になりました。

最初の大会から、22歳でIMの称号を獲得するまで、およそ15年かかりました。その間に、1,000局以上の公式戦(対面クラシカル)を指しました。

集中を切らさずに真剣に指した公式戦の一局は、気の抜けたラピッド対局を何十局も指すより多くのことを教えてくれます。あの舞台の照明の下では、隠れる場所がどこにもないからです。

日本では、これほどの公式戦を指すのは難しいかもしれません。大事なのはなるべく指すこと、オンラインでもなるべく真剣な試合、大会やトレーニングマッチに参加すること。

もしOTBを一度も指したことがなければ、いきなり大きな大会に飛び込むのではなく、まずは地元のクラブや例会から始めてみてください。最初の数局は、少しぎこちなく感じられるはずです。手で駒を動かすこと、盤面が画面とは違って見えること、指し手を棋譜用紙に書き留めること。でもどこかの時点で、目の前の静けさと64のマスに、完全に没入している自分に気づくはずです。

そしてその瞬間、人生の浮き沈みは私にとってどうでもよいものになり、その災いは無害なものに、その儚さは幻のように感じられた――この新しい感覚は、愛がそうするように、私を貴重な何かで満たしてくれた。いや、その何かは私の中にあったのではなく、それこそが私自身だった。私はもう、平凡で、偶然の存在で、死すべきものだとは感じなくなっていた。この、すべてを超えた喜びは、一体どこから来たのだろう?

―― マルセル・プルースト『スワン家のほうへ』(失われた時を求めて 第1篇)

真剣な対局は鏡です。あなたの習慣、注意力、そして今のあなた自身を映し出します。


対面の対局があなたを一段階引き上げてくれる理由

2. 対局時間が長いから

ある時点で気づくはずです。上達とは、何を知っているかではなく、知っていることを使えるだけの集中力をどれだけ長く保てるか、なのだと。

持ち時間が長い対局では、次のようなことができます。

  • 深く考えること
  • いつ考えるべきかを考えること
  • 時計に時間を残したままエンドゲームに到達すること
  • 理論だけでは教えられない集中力を築くこと

真剣で長い対局を、できるだけ多く指すこと。それが、時間をかけてレベルを引き上げてくれる掛け算になります。質 × 量、です。

チェス強豪国が多くの強いプレイヤーを輩出しているのも、これが理由です。才能だけでなく、クラブやリーグ戦、コーチ、そして毎週の公式戦という習慣の仕組みがあるからです。

もし始めたばかりなら、いきなり90分の対局に飛び込むのは、幼稚園でプルーストを読むようなものかもしれません。まずはラピッドから――15分+1手ごとに10秒加算、くらいから試してみてください。加算時間があることで時間切れによる負けが減り、劣勢になっても対局を続けざるを得なくなります。

クラシカルとラピッドで基礎を築いておけば、ブリッツもより楽しくなります。ブリッツの癖が長い対局ににじみ出てしまうのではなく、深みを速い形式に持ち込めるようになるからです。

なので、あなたが対面で指すプレイヤーでも、オンライン専門のプレイヤーでも、上達したいならできるだけ多くの真剣で長い対局を指してください。

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